
第32進海丸 シアターBRAVA!
厳しい漁師の世界、「黒潮の狩人」と呼ばれた父を亡くし、突然父の乗っていた「進海丸」に乗りたいと言い出す弟、兄との葛藤、船頭と乗組員の確執、いじめていた同級生、船主と息子、他船の違反行為…。群像劇。10人それぞれにドラマがあって、深い話でした。
私は「後悔」って感情が琴線に触れるのです。
親父さん、多分ヒロシが船酔いに苦しむのを見て、サトルには自由にさせてやろうと思ったことだろう。でも実際は逆で「船に乗れ」って言ってくれるのを待っていたサトルはどんどんヒネて、死ぬ間際にそれを知って謝るってのがもう…。
「もう一人はいややき」
という言葉も泣ける。やっと本音を吐いた弟に必死で鰹の釣り方を教える兄。ここで「兄弟船」の歌詞を思い出すとまた泣けてくるのです。
船で親父を見ているしかなかったヒロシより、最後に釣りしたり話したりできたサトルの方が少し幸せだったんだろうか。弟が何を考えていたか分からなかったヒロシの情けなさとか、サトルが本当は船に乗りたかったのを知った親父さんどんな気持ちだったのかと思うと。坂本さんはいい船頭。河内さんは見る目がある。木原さんはサトルの唯一の理解者だった。そして戸田丸の二人は笑わせてくれてよかった。
ジャニらしくない舞台でしたが、いろんな新聞等で結構評価されていたので嬉しいです。
カーテンコールは紙吹雪。最後にサトルとイサオが仲直りしたような感じで握手をしてくれました。本当にいい舞台だった。蓬莱さんありがとう。鈴木さんもありがとう。いいカンパニーをありがとう。
※写真は東京グローブ座のもの
