この写真は京都の阪急百貨店のプレートですが、以前梅田の歩道橋を歩きながら阪急百貨店の壁をぼんやり見た時に気付いたことがありました。
「阪急のマーク、神戸市と大阪市の市章だ……」
うーん、長いこと見てきたのに初めて気付きました。
大阪市は澪標(みおつくし)をかたどったもの、神戸市は二つの扇状地から土地ができていることと旧かなづかいの「カウベ」のカの字から。
なるほど、大阪から神戸まで電車走ってる会社だもんね〜。
でも京都は?と思い調べたところ、きっちり京都も入ったデザインがあるのです。まわりの円にちょんちょんと角が六本突き出したような形。これが「京」の字なのです。
京都市の市章は円形の御所車に京の字を図案化したものです。うまくまとめたもんだな〜と思いました。
京阪も似たようなデザインの仕方のようです。分かると面白いものですね。
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その社章は、阪急の歴史も物語っていると思います。阪急というのはもともと神戸線と宝塚線が母体の会社だからです。
では京都線は?
これはじつは京阪電鉄が前身なのです。京阪は淀川左岸の宿場町沿いを結んだためにカーブを余儀なくされ、その対策として淀川左岸に一直線の「新京阪電鉄」を建設したのでした。これが現在の阪急京都線です。
戦時中の強制合併政策で両者は合併し、戦後に分離するさい、競合によって発展させるために(だったと思う。うろ覚え)阪急電鉄に移管されました。当時のターミナルは天六。いまの十三経由の本線ではありませんでした。
中津駅が京都線だけ無いのは、そんな歴史によります。
それにしても、社名とか、社章って、いろいろな意味があるもんですね。「サントリー」の語源が創業者「鳥居さん」だと学生のころきいたとき、安易なもんだと思いました。案外会社というのは、そういうもんかもしれませんね。市章を盛り込むなんて、鉄道会社は真面目です。
サントリーとかブリジストン、この和製英語っぽい名前は外国人の方が聞いて変に思うんだろうかと考えたことがあります。
レールの断面を稲妻で囲み、電気鉄道の意味を簡明に象徴している。明治38(1905)年に大阪〜神戸間の鉄道営業を開始した頃の同業者は、京都、名古屋、大師の各電鉄のほか、明治36(1903)年に電車に代わった東京の馬車鉄道と大阪の築港〜花園橋間に走った魚釣り電車しかなく、いずれも小型の市内電車で、本格的な広軌高速による都市間大型電車の運行は、当社が最初であった。
したがって、電気鉄道であることを表す以外に、他社との識別の必要がなかった当時の特色がよくうかがわれる。
(以上、阪神電鉄HPから抜粋)
とのことです。阪神らしいですね。
わあ、詳しい情報をありがとうございます!なるほど面白いですね〜。レールの断面であっていたのですね。
阪神は駅と駅の間が短くて、くねくねしているのも当時の各集落をつないだため(規定のなくなった後にできた阪急は直線)だと言いますから、それも時代を反映していますね。背景が分かればちょっとしたことも面白いですね〜。